読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

おなかのはらぺこ日記

好きなものには、基本贔屓目。

SMAPがいない世界。

 

自分は「SMAPがいない世界」を知らない。

 

生まれたときには、すでにSMAPはテレビの中で歌って踊っていた。老若男女、誰もが認める「国民的スター」だった。

保育園では、みんなと一緒に『世界に一つだけの花』を歌ったし、中学生のときは、初めて友達と行ったカラオケでSMAPの歌を歌ったし、休み時間にSMAPダンスを、友達とふざけて踊ったりもした。毎年大晦日の夜には眠い目をこすりながら、紅白に出ていたSMAPを観ていたし、音楽に興味を持つような年齢になると、SMAPの楽曲提供陣の豪華さに驚くと同時に、毎回良質なJ-POPを届けてくれることがすごく嬉しかったし、新曲が出るのが毎回楽しみだった。

自分が気付かないうちに、いつの間にかSMAPは生活に溶け込んでいて、これまで「SMAPがいない世界」を知らずに過ごしてきたし、「SMAPがいない世界」を想像したことすらなかった。SMAPは、半永久的にそこに在るものだと思っていた。

 

しかし、アイドルとの別れは唐突で、その決断を前にしたとき、ファンはあまりにも無力だ。

アイドルから、ファンの元には、いつでも「決定事項」だけがもたらされる。嬉しい報告であっても、悲しい報告であっても、解散という決断であっても、ファンは、それを自分なりに受け止めなくてはいけない。良くも悪くも、アイドルとファンという関係性、距離感を再確認することになる。

SMAPの解散が発表されてから、自分はその決断をどう受け止めるべきか考えているのだが、何が正解なのか分からない。納得しない部分も沢山あるし、ただ受け身であることしかできない自分にモヤモヤするけれど、SMAPのメンバーの決断を尊重したいとも思うし、28年間SMAPであり続けてくれてありがとうとも思う。答えは、きっと一つじゃない。

 

28年間という時間は、すごく長い。

もしかしたら、SMAPはあまりにも長く「アイドル」であり続けすぎてしまったのかも知れないし、ファンが「アイドル」のSMAPを求めすぎてしまったのかも知れないとも、今になって思う。彼らから、あらゆるものを受け取って、こちらから何かを返している中でも、28年という月日は、彼らから沢山のものを奪ってしまっているのかも知れない。

メンバー皆、アラフォーになったSMAPは、グループであると同時に、5人の個人の大人が集まった集団でもある。きっとそこには、ファンには一生分からない真実や、想像もできないような葛藤があると思う。だから、今回の件は、誰が悪いとか、誰が正しいという物差しで考えてはいけないと思うし、そんな単純なことで片付けるべきではないと思う。28年間アイドルやってる人たちの人生を、決断を、たった一言で片付けるなんて、あまりにも無意味だ。それだけは、声を大にして言いたい。

 

今回の発表を受けて、武道館でのライブを目指すアイドルを描いた、朝井リョウの小説『武道館』のある一節を、思い出した。

【正しい選択なんてこの世にない。たぶん、正しかった選択、しか、ないんだよ】
【何かを選んで選んで選び続けて、それを一個ずつ、正しかった選択にしていくしかないんだよ】

1月の解散報道と、その後のスマスマの生放送のときも、この一節を思い出したのだが、今改めて強い意味を持って思い出される。

SMAPは、これまでも沢山の壁にぶつかって、時に立ち止まり、時に壁を越え、時に壁を壊し、何度も何度も難しい選択を繰り返してきた。その当時は、何が正解だったのか分からなかったものも、今になって振り返って、確かめることができるものがある。

今のSMAPにとって、どの選択が正しいのかは、今はまだ誰にも分からない。これから先、10年、20年、もしかしたら、もっとずっと後になるかもしれないけど、この「解散」という選択が「正しかった選択」になることを願うことしか、今はできない。

  

正直、今はどんな言葉を並べても、嘘になってしまいそうな気がしたけれど、何らかの形で今の思いを残しておきたい、と思ったので、文章にしてみた。

 

SMAPがいなくなっても、日常生活は何も変わらないのかも知れないし、いつか「SMAPがいない世界」に慣れて、それが当たり前になってしまうのかも知れない。今は、そうなってしまうことが何だか怖い。

SMAPが大好きだ。
SMAPの歌が大好きだ。
SMAPのこれまでが大好きだ。
SMAPの作り上げた世界が大好きだ。
SMAPの作り上げた時代が大好きだ。
SMAPの作り上げた「アイドル」が大好きだ。
これからもずっとSMAPが大好きだ。
それだけは、きっとこれからも揺らがないと思うし、忘れないでいたい。

 

これから、「SMAPがいない世界」に向かって生きていく。