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おなかのはらぺこ日記

好きなものには、基本贔屓目。

キラキラしてこそ、アイドル。

日本の音楽シーンを語る上で、「アイドル戦国時代」という言葉が、使われるようになってから、随分と月日が経った。昭和歌謡から広がりを見せた、日本のアイドル文化は、海外と比べて異常なスピードで成長し、独自の発展と進化を遂げている。

女性アイドル一つをとっても、AKB48グループのような大所帯アイドルから、スターダストアイドルのように、アイドルの常識を打ち破る挑戦的なアイドル、ハロプロのようにダンスや歌唱力など、高いレベルでの活動をする、ある種の正統派アイドルなど、ジャンルから形態や規模など、多種多様なアイドルが存在する。男性アイドルの多さも、海外と比べたら、日本特有な点だろう。

この十分すぎるほどにある取捨選択の余地こそが、日本のアイドル文化が独自の進化を遂げ、現在の地位が確立されていった要因の一つだろう。しかし、こんなにもアイドルが乱立した今の時代では、そのグループに突出した魅力や特徴がない限り、ごまんといるライバルのアイドルたちに、すぐに追い抜かれ、埋れていってしまう。だからこそ、「アイドル戦国時代」を生き抜くために、アイドルたちは様々なことに挑戦し、切磋琢磨し続けるのだろう。


というツイートを、以前Twitterで呟いたのだが、350を超えるリツイート、お気に入りがあった。予想を超えた反響があったので、自分自身でも驚いているのだが、このツイートからも思うことは、アイドルは「与え続ける」存在なのかも知れないということだ。

今でこそ「会いに行けるアイドル」という言葉が生まれたり、メディアでプライベートをオープンに発信したりすることが増え、昔は高嶺の花であり、非現実的な存在だったアイドルは、比較的身近で、親近感のある存在になった。しかし、ありきたりな言葉を使えば、アイドルが「夢を与える仕事」という根幹は揺らいでいないと思うのだ。

彼らは「アイドル」に身を置いた上で、私生活を犠牲にしながらも、歌手、俳優、モデル、タレント、他にも様々な仕事に、全精力を注いで取り組む。どんなに裏で努力していたとしても、その姿を表に出さないように、ファンの前では、キラキラの笑顔で活動しなくてはならないのだ。勿論、ファンの応援や支えも多いだろうし、アイドルたちも大事にしているだろうが、インプットより、アウトプットの方がはるかに多いと思うのだ。それには、ファンの応援や期待以上のものを与え続けなければ、すぐに飽きられてしまうという部分もあるのかもしれない。

そして、アイドルである以上、アンチと呼ばれる、何事にも否定的に発言してくる存在が現れてくる。アンチというのは、アイドルに限ったものではないと思うが、アイドルはより顕著だろう。個人的に、アンチは人気と比例するように増えていくものだろうと思っているから、アンチの数とアイドルの人気は、ほぼイコールになることが多いと思う。だから、アンチが増えれば、それだけ注目されているということなのだろう。

アイドルは、外に飛び出して、批判という雨風に晒されてこそ、強くて大きな存在になれるのだろうし、一部の人々に嫌われてこそ、沢山の人に愛され、応援される存在になれるんだと思う。それは、同時にそれだけ傷付くぐらいの覚悟がなければ、アイドルとしてはやっていけないということでもあるのかも知れないし、そんなマイナスな部分もドラマティックに変えていけるのも、アイドルならではなのかも知れない。そんな中で、アイドルたちは自らを磨き、魅力を作り上げていくのだ。


個人的に、アイドルに求めるものの一つは「一生懸命さ」だ。昔、アイドルは、どちらかというと「見て」楽しむものだった。そこに、今は「参加して」楽しむことが加わっている。アイドルの成長過程を、アイドルとファンで共有し、これまでの歴史を踏まえながら応援する。ライブでは、アイドルもファンも、共に汗を流しながら歌い踊り、共に涙を流して喜びや悲しみを分かち合う。いつでも、そこには「一生懸命さ」が存在しているし、存在していなくてはならないと思うのだ。アイドルとファンの距離は、物理的に近付いた部分もあるが、このように精神的に近付いた部分も大きいと思う。

そして、「一生懸命さ」はアイドルの持つキラキラさにも直結していると思う。本能的に人は、そんな頑張っている人の輝きに惹かれるし、そんな輝きを放つ人を応援したくなるのだろう。どんなに歌が下手でも、どんなに踊りが下手でも、カリスマ性などなくても、その「一生懸命さ」さえあれば、アイドルは輝くのだ。

アイドルファンが、疲れたときや落ち込んだときに、アイドルのライブ映像を見たり、アイドルの歌を聴いたりするのは、自分に不足している「キラキラさ 」を補給しているからなのかも知れない。何かと生きづらい今の世の中に 、そんな「キラキラ」を求めている人が沢山いるであろうことを考えると、「アイドル戦国時代」は、まだまだ終わらなさそうである。